「あぁ、特に何もされてないよ。誕生日聞かれても答えないようにしてたから。個人情報だし」



うー、まぁそういう風に考えるの、朔らしいかもしれないけどさ。


「光輝も晶も学校の奴らも知らない。誕生日を自分から教えたのは澪が初めてだ」


頬杖をついて笑う朔。
……それなら、余計こうしちゃいられないよ。


「朔にとってはただの365分の1かもしれないけど、私にとっては特別な日なんだからね。少し遅くなったけど、お祝いさせてよ」


ガタッと立ち上がる私を見て、朔はポカンとしているだけ。


「なにかしたいことはある?欲しいものは?」

「欲しいものって……俺は澪がいればそれだけでいいよ。これ以上はもう何もいらない」


でた、朔の常套句。
私が言っているのはそういう意味じゃないんだけど。