「いいの?」
「うん。いい」

「……あ、それ、嬉しいのを隠してる顔か」


可愛いねぇって、朔が私の頭を撫でながら笑うから。
ボッ、と火がついたように顔が熱くなる。



「う、うるさいっ。早くかえ──、っ!?」



朔が私の腕を引っ張って、壁に背中を押し付けるまで、わずか3秒。

肘をついて、私を見下ろすように余裕げに笑う朔。



「嬉しかった?澪と付き合ってるって本当のこと言ったこと」



ゆ、油断した……。



「う、」
「ん?」

「うれしかった……」