これは、朔の知られたくないことの1つだったんだろうなって、直感的に思った。
「……朔は、私のこと好きじゃない?」
「好きだよ。本当に好きだ。この世で一番大切なものは何かって聞かれたら、迷うことなく俺は澪の名前を言う。でも、」
「じゃあ、朔の一生をかけて償って。」
「……は」
太ももの傷のある場所を見る。
罪悪感を感じているのなら、なおさら私の隣にいてよ。
「ていうか!ちゃんと謝ってくれたじゃん。ごめんって」
『……巻き込んで、傷つけて、ごめん』
私をベンチまで運んでくれた時、そう言ってくれたじゃん。
「謝ってくれたし、あの時私が欲しかった言葉を朔が言ってくれた。嬉しかったよ」
「……なに、それ……」
「覚えてないの?」