全てのことにおいてどうでもいいと思っているような、そんな顔をしていた。

最初、私はこの扉を叩いて、無理矢理にでも朔を引っ張り出そうとしてたけど……



「……やめる。」
「なに……」

「朔のことを知ろうとするの、やめる。
朔が嫌がるようなこと、したくないから」



私の言葉に、朔が目を見開いたのがわかった。



「でも、朔のことが知りたいって気持ちは変わらないよ」



朔がそうして欲しいなら私からは何も聞かないけど、朔のことを放っておくつもりはないし、1人にはさせない。

ただの正義感の話じゃないんだよ。
そういうことは関係ないの。



「朔のことが好きだから」



ただ、それだけなんだよ。



「朔が昔のことをどう思っていようが、私は……"あの時"、朔に会えてよかったって、そう思うよ」