「……やっちゃった……」



ベッドに横たわり、手のひらをぎゅっと握りしめた。

朔の、影が落とされたような表情を思い出す。

まさかあんな顔をさせてしまうなんて。

それとなく朔のこと聞き出せないかなって思ったのが間違いだったのかも。


『もしかしたら、榛名くんは自分に自信がないのかもしれないね』

『澪ちゃんに知られたくない自分がいて、そんな自分を受け入れてもらえる自信がないんじゃないかなぁ』


全部曝け出せばいいのにって思った。
私は、どんな朔でも受け入れるのに。


でも……そうだよね。
朔の触れられたくない部分とか、見られたくない自分とか、そういうのを引っ張り出して聞き出そうとするのは、
過去に無理やり引き戻そうとしてることと、同じ、だよね……。

晶が朔にそうしようとしていたように。