もう、どうでもよくなって、されるがままに殴られてもいいかもしれないと思った。
十分体に傷は負っていたけれど、それでもいいと思った。
『来てっ……!!』
だらりと下ろした腕を、誰かに引っ張られたのはその時だった。
見慣れないセーラー服、知らない女。
見たこともない女が、俺のことを引っ張ってる。
路地裏の入り組んだ道をどう進めばいいのか困惑しながら、俺を引っ張っていた。
どうしてそんなことをするのかわからなくて、この状況に頭が追いつかなくて、その腕を思い切り振り解いた。
『触んなよ、うぜぇな』
雨に濡れた前髪から鋭く睨んで見せても、まるで動じない。
『あの人達と仲間じゃないですよね?酷い怪我してるし……何もかも諦めてるように見えたから、その、いてもたってもいられなくて』