初めて人を殴ったのは、11歳の時だった。

生まれた時から両親のいない俺のことを、持っている語彙力全部を使って貶してきたクラスメイトのことをひたすら殴った。



『いつかこうなるんじゃないかって思ってたのよ。だってあの人たちの子供でしょ?』

『いつも何考えてるかわからないし、笑わないし、暗いし……引き取ったことが間違いだったのよ』



預けられていた親戚の家で、陰でそう言われてたことにも気づいてた。
両親のことは何も知らない。でも、真っ当な人間じゃないってことは、なんとなく、わかってた。

俺のことを怖がってか、誰もが必要以上に俺から距離をおいた。


家でも学校でも、俺はいつも1人だった。


中学に上がって光輝と知り合って、喧嘩が当たり前の日々になった。