「私が気を失ったあと、晶を殴ったの?」
「そうだよ。だってこいつ、澪のこと離さなかったから。当たり前だろ」

「っもう、それ理由にならないからね!?晶は私のことを守ろうとしてくれただけだよ」

「それこそ理由にならないね」

「あのねぇ……!」


「澪」



静かに私の名前を呼んだのは、晶だった。
ザ、と強い風が吹いて、晶の前髪が揺れる。

瞳の色、髪の色と同じ焦茶色なんだ。
真っ直ぐ見つめられるまでわからなかった。



「あとは?」
「え」

「おまえに許されるには、あとは何をすればいい」

「……」



そんなことを、考えていたんだ。
そっと自分の首に触れる。