私を指さして、こっちに来いってジェスチャーをしているのは。
「晶じゃん……」
「えっ、晶って澪ちゃんが言ってた?」
「う、うん、あの、私行ってくる……!奈子は裏門から先に帰ってて!!話聞いてくれてありがとうっ」
晶のそばにいるのは光輝だ。
な、なんで2人が一緒にいるの……!?
慌てて教室を飛び出して、廊下を走る。
ぐんっと腕を後ろから引かれたのはその時だった。
「あ、朔……」
「どこ行くの?」
ぎゅ、と力が込められる腕から、朔の顔へと視線を移した。
「晶が」
「あいつが?」
「うん、校門のところにいたから。光輝も一緒にいた」
「……じゃあ、俺が行くから澪は待ってて」
「ううん、私も行く。晶にお礼まだ言えてないし」