それなのに、私はあんたのその危険すぎる熱に、想いに、火傷してでも、触れたいと思ってしまうの。
手を伸ばす。
朔のパーカーの裾を、くいっと引っ張った。
「澪?」
「……がせて、」
「なに……」
「……ふく、ぬがせて」
「はは、なにいって、」
「せいふく……晶の、香水の匂い、するから」
「……」
「……朔のものに、なってもいいよ」
口からこぼれ落ちた言葉に、自分でもびっくりした。
視線を手元に落とす。
さいあく。私、どうかしてる。
「ごめん……いまの、なし。変なこといった」
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