もしかしたら、ある意味特別に思ってたのかな?
……まぁどちらにせよ、朔と光輝に怪我を負わせたんだから、謝ってもらわないと私は許せない。
"ダメでしょ!?"って、注意というか、そういうことした方がいいと思う。
「──おい、無視してんじゃねぇぞ、七原」
ガシャン、と何かが割れた音と一緒に聞こえてきた名前。
……いま、七原っていった?
路地裏の奥の方。
何人かの人影が見える。
座り込んでいる人と、それを囲む人たち。
暗くてよく見えないけど、あれってもしかして……。
「テメェなに無傷で戻ってきてんだよ。こっちはおまえのせいで散々な目にあったっていうのに」
物陰からそっと様子を伺う。
学ランの制服、傷だらけの不良たち。
そんな人たちに囲まれているのは、思っていた通り七原晶だった。