しばらくして感じたのは、ひやりと冷たい温度だった。

ぴた、と朔が手のひらを私の額に当ててる。
な、なんなの?


「今日はもう帰ろう」
「えっ、またぁ?」


今度はなにがあったっていうのよ、もうー……。



「澪熱あるよ。さっきの体育、窓から見てたけどいつもより体ダルそうだった」
「いや……だからそーいうの怖いって、」

「今朝も少し声変だったし。喉痛いんだろ?」



確かにちょっと喉がイガイガするけど、それだけだもん。大丈夫だよ。
体ダルそうに見えたのもただ疲れが溜まってるだけでしょ。

昨日色々あったし。疲れない方がおかしいよ。


「平気だよ。元気元気。ていうか触っただけじゃわかんないでしょ」
「いやわかるね」