今日のこと、もしかしたら関係のない人たちまで巻き込んでしまうところだった。
なんなら、私だって巻き込まれた側の1人で。
朔も光輝も、私のことを守ろうとしてくれたただけなのに。
朔は、ただ私たちの学校の生徒として過ごしていただけなのに。
それなのに、どうして怪我をしないといけないの……?
「(……怖かったから会いたくない、とか、言ってる場合じゃないじゃん)」
大事な人たちが傷つけられたのに黙っているなんて、そんなことできるわけない。
「──澪、」
「……えっ?あ、なに?」
絆創膏を顔に貼った朔が、私に向かって手を伸ばしている。
スル、と朔の冷たい指が首に触れて、その瞬間心臓が大きく鳴った。