「おまえの名前出せばホイホイ不良どもが釣れるんだからよ」と、光輝はそう続ける。
光輝や晶って人の世界の中で、朔はいったいどんな存在なんだろう。
名前出せば釣れるってどういうこと……。
「それより、これで終わりってことはねぇんだからしっかり気ぃ張っとけよ。わかったらもう帰れ。俺は寝る」
「あっ、そうだよね。ごめんね、体しんどいのに。お邪魔しました」
いまだにくっついている朔をなんとか引き剥がして立ち上がる。
玄関に向かいながら、さっきの光輝の言葉を頭の中で繰り返した。
確かに、これで終わるとは思えない。
なんていうか、朔に対する執着を感じるし……。
なんとかしたいけど……できればあの人にはもう会いたくないな。
そんなことを考えながら、髪で隠した首に触れる。