この学ランの男と朔はどんな関係なのか、とか。


考えないといけないことがたくさんあるのに、
どう見ても普通じゃないこんな状況で、朔の言葉に喜んでしまっている自分がいる。

……しっかりしてよ、私。



「良かった。」



さっきまで浮かべていた笑顔は、かけらも残っていなかった。
無表情のまま、呟くようにそう言った学ランの男は、



「っ、!?」



背後にいた私のネクタイを引っ張った。



「いた……っ」



首に鋭い痛みが走り、そこでようやくこの男に噛み付かれていることに気がついた。

やばい、これ、本当に噛みちぎられちゃうんじゃないの……っ。