「頭痛いのは平気?」 「え……あ、うん……」 「そう。しんどくなったら言って」 そう言いながら頭を撫でて、朔は優しく笑った。 ガンッと、朔が蹴り上げたゴミ箱が頭の中に浮かんだ。 『澪はウザくないよ』 『澪の良いところは俺だけが知ってればいいよ』 『俺、そのままの澪が好き』 朔の言葉と、宙を飛ぶゴミ箱。 「(なに、これ……)」 顔があつい。 どうして急に、こんなに胸がドキドキするの?