色んな女と遊びまくってて、
特定の彼女は作らない主義の天音が?


「本気って言ったら?…何、俺のこと殴る?」


こいつが何を考えてるのか全くわからない


…いや、天音は最初からずっとこうだ


初めて天音と出会ったのは3年前、
当時の天音はthe不良という感じだった。

不良なんていつもは別に個人的に気にかけたりなんかしない、何かやらかしたらその分制裁するだけ。

でもあの時の天音には…瞳に、生命力を感じなかった。

一言で言うなら…そうだな、“自暴自棄”って感じ。生きる意味を見失ってた。

俺は1年生で既に生徒会長になっていて、不良は不良でも天音は学園の生徒だし、容姿の整い方が見るからに吸血鬼だったから何となく見過ごせなくて。

勢いで生徒会×White Lillyに勧誘したのが、天音との最初の出会いだった。


「…誰が誰を好きになろうと、それは自由だ」

「何が言いたい?」

「好きになるのは勝手にしろ。けど…胡桃が嫌がる事をするなら、容赦はしない」


…こんな事、今の俺が言える立場じゃないのにね

俺こそ胡桃に一発殴られるべきだ。あんなことしたんだから。


「へえ、随分優しいんだね。」

「二度目はないから」


そう言って俺は天音を睨みつける。

天音は黙ったままコーヒーを淹れたカップを手に取って、

「肝に銘じておくよ」

そう言い残して部屋に戻って行った。