自分自身じゃ歯止めが効かなくなる…

確かにさっきはもう理性が効かなくなっていた。最近胡桃の血の匂いを感じると自分が抑えられなくなりそうで、それでも何とか耐えてきた。今の俺が胡桃と2人きりになったらヤバいのもなんとなく…わかってた。

でも今日の朔の事といい、秋斗の紛らわしい行動といい、挙げ句の果てには天音にキスされたなんて言われたら、黙って聞いてろって方が無理だ。


「さっきお前に飲ませたのは補給用のカプセル、当分は朝夜で1日2個な。落ち着いてきたら時々飲むだけで良い。」


そう言って秋斗はカプセルの入った箱を俺に差し出した。


「……ありがとう」


…胡桃、きっと怖がらせちゃったよね

目の前にいるのに、胡桃の目をまっすぐ見れない


「……怖がらせちゃって、ごめん。」

『…うん、わざとじゃないのは…わかってるから』


そう言って部屋を出ていく胡桃と秋斗の背中を見つめながら、
俺は小さくため息をついた。

BSの総長が接触してくるような危険なこんな時に…俺は何やってるんだ

できるだけ胡桃のそばにいてやりたいのに

2人きりになったらまた同じ事をしてしまいそうで…


「……。」


俺は倒れるように目の前のベットにダイブして
ごろんと寝返りを打ちながら携帯を取り出した


「明日、予定変えてもらおう…」


胡桃に一件のメッセージを送ってから、
気づいた時にはそのまま寝落ちしていた。