【叶兎side】
さっき、気づいたら胡桃の血を吸ってて
抑えられなくて
胡桃の嫌がる事は絶対したくなかったのに、
嫌がってたのに、止まれなかった
秋斗に無理矢理胡桃から引き剥がされて、その時にやっと止まることが出来た。
でも胡桃の方を見たら
乱れた髪の毛と洋服、首元に残る傷と大量の血
そして俺を見た時の怯えた表情
秋斗が止めてくれなかったら…
俺は取り返しのつかない事をしてたかもしれない
「……なぁ叶兎、最近胡桃の血しか飲んでないだろ?」
何の話だ…?
確かに胡桃の血をもらうようになってからは、血の補給のためのカプセルや輸血パックは使わなくなったけど…
「多分、胡桃の血に依存してんだよ」
「…は?」
「吸血鬼は1人の血だけを吸い続けるとその血に依存するようになる、まさかとは思ったが…本当に知らねぇのか?」
そんな話…聞いてない
……今まで吸血してこなかったから、昔からそういう類の話には興味がなかった
「だからもし血を吸う相手が限定されてる時は依存しないために定期的に他の人の血を吸うか、補給のためのカプセルを飲むかのどちらかが必須なんだよ。依存したら…自分自身じゃ歯止めが効かなくなる。」