「俺が嫉妬深いタイプなの知ってるよね?」


それは、うん、知ってる

けど…天音くんにキスされたなんて余計言いだせないよ
でもこのまま誤解させたまま黙ってるわけにもいかないし…


「そんなに言いにくい事って…まさか、秋斗のこと好きなの?」

『違う!!私が好きなのは叶兎くんだよ!』


これ以上誤解が大きくなっては困る、

何か理由をつけて誤魔化せるような状況でもないので、もう諦めて全部話そう


『…さっきね、眠れなくてベランダで夜風に当たってて…部屋に戻る時に外から帰ってきた天音くんと会ったの』

「…天音?」

『怪我してたみたいだから手当してあげて、そしたら…その…いきなりキスされて…』


恐る恐る叶兎くんの方を見ると、
「は…?」というような困惑した顔をしていた。


「…え?天音が??何で??」


それは私も聞きたいよ


『その後偶然通りかかった九条くんに、“警戒心がなさすぎるからそういう事になるんだ”って言われて。簡単にああいう状況になっちゃうからもっと気をつけろって、私に怒ってくれてただけなの。だから九条くんは悪くな……、っ!?』


ゆっくりとこちらに近づいてきた叶兎くん、
私が顔を上げると同時に、叶兎くんと唇が触れた。