『え?どういう状況…?』

「警戒心がないって言ってんだよ」



私今…九条くんに押し倒されてる?

何故…?


『いや、でも…九条くんだし…』

「“相手が俺なら大丈夫”なんて根拠どこにもねぇだろ?」



いやいやいや…え?

なに、九条くんは天音くんのこと色々知ってるみたいだし
実は裏では仲間…とか言わないよね?

私のが年上なのに、ソファーに押さえつけられた腕を振り解こうと力を入れてもびくともしない



「女の力で、男に敵うわけねーだろ」

『…!』


まして九条くんは吸血鬼だ。普通の人間よりも力が強い。


「どれだけつえー女でもこうやって男に迫られたら、逃げれねぇんだよ」

『九条、くん…』

「今お前の前にいるのは吸血鬼の男だ。これは生徒会のみんなも同じ。いつどこで誰に何されるかなんて分かんねぇ。」


九条くん、別に悪意があるわけじゃない

私に身をもって教えてくれてるだけなんだ。


とその時、
後ろで何か物が落ちる音が聞こえた



「……は?何してんの?」