しかも、スッと目を伏せ、顔を斜めに……。

 って、あれ?

 これって……まさか? 

 そう思った次の瞬間、王河の唇があたしの唇に、ふわっと優しく重なった。

「……っ!?」

 えっ、なんで?

 なんで王河が、あたしにキス!?

 驚きすぎて、目を見開いてしまう。

 あたしの目の前には、超絶カッコいい王河のアップ。

 さらにびっくりしたことに、王河はキスをしたままあたしを抱き寄せ、サラッとあたしの髪を撫でた。

 なんだかものすごく愛されている感じがする、王河のキス。

 爽やかで大好きな王河の香りに包まれて、王河の唇のやわらかさを感じる。

 それにしても……どうして王河は、あたしにキスをしてくれるんだろう?

 心臓の音がかつてないほど大きくて速い。

 ちょっと離れて落ち着きたいけど、びっくりしすぎて動けない。