うん、間違いなく、伝わってないな。

 苦笑とともに、息を吐き出す。

 まぁ、仕方ないよな。

 はぐらかしすぎたし、待たせすぎた。

「あっちでゆっくり話そ?」

 ぼんやりする乃愛を連れて、ベンチに座る。

 目の前には、キレイな花火。

 それを見ながら、乃愛の肩を抱き寄せた。

「さっきのごめん。俺のせい」

「……え?」

「乃愛が、『自分のこと“大ッキライ”』って言ったの、俺のせい。本当にごめん」

 乃愛の顔をのぞきこんで、頭をさげて、真剣に謝る。

「俺、自分ばっかりが乃愛のことを好きだと思ってて。悔しくて、乃愛にずっと好きだって伝えられなかった」

「…………」