6歳だったあの頃は、10年後の自分なんて、めちゃくちゃ大人だと思っていたから、全幅の信頼で未来の自分に全てを託した。

 その上で、早く大人になりたいって願っていた。

 そうすれば、もっと乃愛を幸せにしてあげられるって、もっと乃愛を笑顔にできるって、そう思っていた。

 でも大人になった俺は、全然大したことがなかったな。

 だって、乃愛をあんな風に泣かせてしまったんだから。

 これからは、素直で強い気持ちと勇気を持とう。

 それは夏帆にも教えられたこと。

 俺は、これからきちんと乃愛に告白をするよ。