軽井沢を境に、藤城の話題を避けるほど落ち込んだ乃愛。

 もうこうなったら、あたしが直接言うしかないと思った。

 でもあたしの言う事なんか、素直に聞き入れるような藤城じゃない。

 だからいつか言おうと決めていて、乃愛と友達になって封印した言葉を言う事にした。

 それぐらいしないと、コイツには伝わらないと思ったから。

 あたしの本気を伝える手段は、これしかない。

 だから七海と紗良も行くからと言って、気乗りしない様子の乃愛と日曜日の花火の約束をした。

 それから、藤城を学校のそばのカフェに呼び出した。

 その2時間前に、同じMoonカフェで七海と紗良に、藤城を好きだっていう自分の気持ちを打ち明けた。

 驚く2人に、その上で、乃愛に幸せになってほしいから、捨て身の覚悟で藤城の背中を押したいって、自分の計画を話した。