お兄ちゃんの塾の友達が星城学園の高等部の生徒で、たまたま雑談していたらわかったらしい。

 だからあたしも藤城王河と同じ南ヶ丘高校に行きたくなった。

 でも南ヶ丘高校に行きたいなんていう話は、当然、父親には激怒された。

『なんで小学校から通っているお嬢様学校をやめて、そんな聞いたこともないような高校をわざわざ受験しなくちゃいけないんだ』とか。

『世間体が悪いだろ、そんなわけのわからない高校はやめなさい』とか。

『それに、就職でも結婚でも苦労するのが目に見えている。今のままなら、そのまま大学までいけるのに、いったい何が不満なんだ?』

 と、さんざん言われた。

 父親とは、ものすごくたくさんケンカした。

『そんな娘に育てた覚えはない、勘当だ』

 とまで言われてしまった。

 それでも、あたしはどうしても、藤城王河と同じ高校に行きたかった。

 だって彼は、あたしの人生を変えてくれた人だから。