だってそれが、“自分に正直に生きる”ってことに繋がると思うから。

 それからのあたしは、フリルもレースも封印して、自分好みのカッコいいシンプルさを貫き通すことにした。

 上辺だけで付き合っていた友達は、離れていった。

 フリフリの服やインテリアをこよなく愛する母親には、派手に泣かれた。

 でも、言いたいことをはっきりと言うようになって、息苦しさがなくなった。

 自分自身を取り戻せて、あたしはそれまでよりも生きやすくなった。

 それもこれも、みんな、藤城王河のおかげ。

 中3の10月に、今通っているエスカレーター式の女子校を辞めて、南ヶ丘高校を受験したいっていう自分の気持ちを口にした。

 そのわけは、藤城王河が幼稚園から通っている星城学園の高等部には進まずに、南ヶ丘高校の受験を希望しているっていう情報を聞いたから。