学校の休み時間でも、洋服やアクセサリー、アイドルの話で盛り上がるクラスの女子たち。

 その輪に混じって、興味が持てない話題に、毎日笑顔だけを浮かべていた。

 本音なんか誰にも言う事ができなくて、そのうち、なにが自分の本音なのかすらもわからなくなっていた。

 親の望むように、友達に仲間はずれにされないように、ただそれだけを考えて生きてきた。

 だって、嫌われたくなかったから。

 本当の自分を知られて、嫌われるのが怖かった。

 それなのに……。

『俺、カッコいいのが仕事なんで』とか、コイツは、反感を買うような生意気なことを平気で言う。

 “嫌い”って思った。

 あたし、こいつのこと、“大っ嫌い”