ふーん、なるほど。コイツ、こんなにもキレイな顔をしていたら、そりゃ天狗にもなるよなぁ。

 フンッと鼻先であざけり笑う。

 そりゃあ、『俺、カッコいいのが仕事なんで』っていうこんな言葉も自然と出てくるはずだ。

 だから、あたし、イケメンって大嫌い!

 忌々しく思いながら、画面の中の男の子を凝視する。

 涼しい二重の目と凛としたまなざし。

 さわやかさと甘さを同居させたような佇まい。

 なんだろ。

 色気が、ハンパない。

 急にドキドキしだす胸。

 なんだろ、この気持ち。

 悲しいような、苦しいような、妙にざわざわする感じ。

 さっきまで読んでいた雑誌をパタンと閉じる。

 ムクッと起き上がり、あたしはベッドのふちに腰を掛けた。