仕事で忙しい両親の代わりに俺のおもりをしていたのが、主に煌河で、瑠河もその手伝いをしていた。

 その最中の出来事で、その言葉に感動した煌河が、そのまま呼び捨てさせた。

 で、瑠河のことも、『りゅーが、りゅーが』って、俺に覚えさせたらしい。

 で、そのまま今に至る感じ。

 だから、乃愛が琉聖さんのことを”お兄ちゃん“って呼ぶのを新鮮に感じる。

 ――と、話が横道にそれたけど、俺は軽井沢の件を乃愛のご両親と琉聖さんに話した。

「あら、まぁ~」

 と片手を頬にあてて言ったのは、乃愛のお母さん。

「おやおや」

 と言いながら、首を横に振ったのは、乃愛のお父さん。

「あれ?王河とじゃないの?王河と行けばいいのに」

 そう言ったのは、琉聖さん。

 その3人に向かって、

「ダメですよね。そんな知らない男子2人と女子2人で泊まりとか。乃愛にダメって言っていいですよね」

 と聞くふりをして念を押す。

 そのうえで、

「でもせっかくの夏休みですし、なんなら……軽井沢にあるウチの別荘はいかがですか?」

 と提案をしてみた。