「一人の女しか抱けなくなるなんて、そんなつまらない男いらないでしょ」


話を聞く限り、彼女達は別にカオルのことは好きではない。

カオルという価値が好きなだけで、彼女達にとってはブランド品を身につけるような感覚だった。

それに激しく嫌悪感を抱く。


「だから、カオルのものになろうなんて思わないで。それは他のメンバーも一緒だから」


カオルをなんだと思っているのか、私は内臓からフツフツと怒りが湧き上がる。


「立場をわきまえてくれる?」


彼女達は言いたいことを言って満足したのか、私に背中を向ける。

私はそんな華奢な後ろ姿に、思いっきり砂をぶちまけた。


「はぁ?!ちょっと!何すんのよ!」


気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。

女にだらしないカオルのことも、カオルを物だと思ってるこの人達のことも、カオルを馬鹿にされて怒る自分も。