目を見開き、“確信”した表情だった。それは壱華の秘密に基づいた断定の顔。


「おい、調子に乗るなよ」


一瞬の異変に気がついた志勇は、あろうことか警察官の肩をぐいっと押した。


その拍子に佐々木が読んでいた書類のファイルが手から離れ、床に落ちた。


ちょっと志勇、警察相手に何してんの!?公務執行妨害で現行犯逮捕とかやめてよ!



「……失礼しました」



佐々木は何食わぬ顔で謝ったから公務執行妨害には該当しないみたい。


ほっと息を着くと、ファイルが床のタイルを滑って私の足元に落ちていた。