「単身でガサ入れはしませんよ。少しその辺に寄ったもので、皆さんお変わりはないかと思いまして」



書類を片手に立ち上がった彼はかなり恰幅がよく、志勇と並んでも大差ないほど背が高かった。



「変わってねえからとっとと出ていけ」

「なぜですか?」

「見れば分かるだろう。客がいんだよ」



佐々木はまったく表情を変えず志勇と会話している。


すると志勇から視線を逸らし、その背後にいた私たちを見下ろして無表情のまま口を動かした。



「ああ、なるほど。あなたが後見人になった少女たちですね」



佐々木は壱華をじっと見つめると、一瞬、ほんの一瞬表情を変えた。