「実莉、あなた高校退学してたんだね」



颯馬にチラチラ視線を飛ばしていたら、壱華がついに本題に入った。


なるほど、怒ってる理由はそれだったか。


確かに家族に内緒で退学したとか、怒られて仕方ない。


でも、だったらなんで志勇も正座させたの?


はっ、まさか……。



「実莉?さっきからずっと上の空ね」

「ごっ、ごめんなさい!バレると思ってなくて……」

「実莉のことだろうから、理由があってのことは分かってるけど、どうして私に言ってくれなかったの?」

「壱華に心配かけたくなかったから……」



図星を突かれ、私は嘘をついたら余計に悪い方向に進んでしまうと思い素直に供述した。


壱華は理由を聞くと大きなため息をついた。


ため息をついた拍子に伏せた目は、今度は志勇に向けられる。