こんな風に話しかけられた男子はみんな目じりが下がり、彼女の虜になってしまう。
しかし、常盤くんの返事は冷めたものだった。
「あぁ」
でも絵里沙ちゃんはそんな冷めた態度にも負けない。
「今まで休んでたから大変だよねぇ、わからないことあったら何でも聞いてねぇ!?勉強とか一緒にっ……」
「……そこどいてくんない?」
常盤くんはチラッと絵里沙ちゃんを見たあと、視線を逸らしたのだ。
そして驚いている絵里沙ちゃんを手の甲で避けて、窓の方へ向かった。
クラスのみんなはその一連を固唾を呑んで見守っている。
それもあり、絵里沙ちゃんの顔はみるみる赤くなっていく。
それもそのはず、絵里沙ちゃんにそんな態度をとった男子は初めてだ。