「俺の席どこ?」
常盤くんが近くにいた男子に声を掛ける。
「あっ、窓際の一番後ろで……」
「常盤夕晴くんだよね!?」
その男子の言葉を遮り声を掛けたのは、うちの学校のマドンナ的存在、平永絵里沙だった。
彼女は去年の文化祭で1年生なのにミスコンで優勝したほどの美貌の持ち主だ。
明るい性格に人懐っこさもあり、男女共に相羽くんなみの人気がある。
「そーだけど」
「やっぱり常盤くんだぁ!常盤くんは窓際の一番後ろの席だよぉ」
上目使いで甘い声を出している。
ほっそりした体型だが出るところは出ててスタイルも抜群、シャンプーのCMに出てきそうなサラサラの髪の毛は絡まっているのを見た事がない。
私の髪質はギシギシしてるし重いし、カラーなんてしたことないのに櫛を通せばすぐに引っかかる。
私と絵里沙ちゃんは性格も外見も真逆で陰と陽だよね……。