もちろんそれは知り合って2年になる相羽くんに対してもそうだった。
近くにいる時はなるべく顔を上げないようにしていた。
この癖は一生直らないんだと思う。
それなのに常盤くんを見たら何かに引き寄せられる感覚に陥り、目が離せなくなった。
危なかった……もう常盤くんの顔を見ないようにしよう。
自分のクラスが近づいてくると自然と顔が強張り、手汗が出た。
クラスのみんなは今朝の出来事をどう思ってるんだろう。
落ち着いた高校生活を送れてると思ったのにな……。
常盤くんは何のためらいもなしに勢いよくドアを開けた。
多分二年生になって初めて教室に入ると思うのに、堂々としていてすごいなと感心してしまう。
私は常盤くんの後ろに隠れるようにして教室に入った。
するとざわざわしていた教室内が一瞬にして静まり返り、みんなの視線が一斉に私達に向けられた。