「でも……首席なんて本当にすごい……」


そう言うと、今度は常盤くんの方が見つめ返してきた。


「……んなことより、前髪長すぎね?前ちゃんと見えてんの?」


やばい!


じっと見つめられて思わず下を向いた。


「みっ見えてますっ」


心臓がバクバクいってる。

こんな綺麗な人にじっくり見られたくない。

醜い自分が惨めに思えてくるから。


「ふーん?」


常盤くんは興味あるのかないのかわからないような曖昧な返事をして、再び前を向いた。


よかった、あまり深く突っ込まれなくて……。


私はいつも不安だった。

もし顔をはっきり見られたら、どんなひどい事を言われるだろうって考えると怖くて、間近で顔を見られないように過ごしてきた。