「なぁ」
後姿に見入っていると、突然振り向くから心臓が飛び出そうなくらい驚いた。
「な、なんでしょう!?」
「さっきのこと内緒ね?」
間近で顔を見て再び驚いた。
鼻が高い、顎の骨格が綺麗、二重だけどキリッと切れ長な目で瞳の色が薄い茶色だ。
なんて完璧な顔なんだろう。
神様は常盤くんのまつ毛の先まで丁寧に作ったんだなぁ……。
この人には人を引き寄せる力がある。
まるで芸能界にでもいそうな外見に見とれて、返事をするタイミングを逃した。
だからか、常盤くんは両手をポケットに突っこんだまま、眉間にしわを寄せてじっと見てくる。
「聞いてんの?」
「あ、はっはい!内緒ですね!?」
「そう、色々めんどくせーから」