ーーしかし。
記録表に福嶋 紗南《ふくしまさな》と名前を書いてる最中、一つ上の名前欄に記載された★マークにふと目が止まった。
目線を左右に滑らすが、その★マークが書いてある横一列の枠内にはそれ以外の情報が記載されていない。
普通に名前を書いていたら何とも思わない。
だけど、★マーク以外の情報が完全にシャットアウトされている。
紗南は記録表を書き終えたと同時に養護教諭の方に顔を見上げた。
「先生。あの、これ…」
「あ、もう書き終わった?じゃあ、担任に連絡するから記録表を頂戴」
「…じゃなくて、何で私の名前の上の欄の人は★マーク以外の内容は書いていないんですか?それ以前の人はしっかり必要事項を書いているのに」
すると、先生は前のめりに興味を湧かせる私に対し、目元を細めて人差し指を唇に当てて内緒のサインをした。
「これはプライバシーよ」
「え?プライバシーって…」
「じゃあ、担任の先生にあなたが保健室に来た事を連絡しておくから、ベッドに横になっていいわよ」
先生は記録表を受け取ると、私の話を遮断するかのように受話器を取り、職員室の内線番号を押した。
★マークに何か特別な秘密でもあるのかな…。
モヤモヤしながらも先生に一礼して席を立ち、ベッドの方に足を進ませた。
記録表に福嶋 紗南《ふくしまさな》と名前を書いてる最中、一つ上の名前欄に記載された★マークにふと目が止まった。
目線を左右に滑らすが、その★マークが書いてある横一列の枠内にはそれ以外の情報が記載されていない。
普通に名前を書いていたら何とも思わない。
だけど、★マーク以外の情報が完全にシャットアウトされている。
紗南は記録表を書き終えたと同時に養護教諭の方に顔を見上げた。
「先生。あの、これ…」
「あ、もう書き終わった?じゃあ、担任に連絡するから記録表を頂戴」
「…じゃなくて、何で私の名前の上の欄の人は★マーク以外の内容は書いていないんですか?それ以前の人はしっかり必要事項を書いているのに」
すると、先生は前のめりに興味を湧かせる私に対し、目元を細めて人差し指を唇に当てて内緒のサインをした。
「これはプライバシーよ」
「え?プライバシーって…」
「じゃあ、担任の先生にあなたが保健室に来た事を連絡しておくから、ベッドに横になっていいわよ」
先生は記録表を受け取ると、私の話を遮断するかのように受話器を取り、職員室の内線番号を押した。
★マークに何か特別な秘密でもあるのかな…。
モヤモヤしながらも先生に一礼して席を立ち、ベッドの方に足を進ませた。