「ねぇ、皆川くん。これからセイくんに恋をしてもいい?」

「…いいけど。先に俺のファンクラブに入ってね。順番だから」


「もう、意地悪!」



再び閉ざしたカーテン越しに交わされた会話。

二人の気持ちを繋ぎ止めた勇気の飴は、カーテン下から橋渡しのように繋いだ手と手の間で静かに眠っている。




【完】