「上履きに名前を書いたら盗まれるから。訳あって足跡が残せないんだ。それに俺が誰かって事は、先生が知ってればいいだろ?」
「えっ、上履きを盗まれるって?」
「そー。だから書かない。名前を書いたら何度も盗まれたから。マークにしたのは盗難防止の為」
「何度も盗まれるなんて。…ひょっとして、誰かから嫌われてるんですか?」
「ちげーよ。俺は人が信用出来ないだけ」
「嫌がらせをするひどい人達がいるんですね。…ところで、同学年みたいだけど何組なんですか?」
彼への質問内容が核心に迫りそうだった、その時。
ガラッ… ピシャッ
扉の開閉音が耳に入ったと同時に、直前まで会話のキャッチボールしていた彼との会話は途切れた。
あともう少しで謎が解明していきそうだったのに、先生が戻って来たタイミングが悪くて残念。
紗南はすっかり調子が狂い、彼と同じく口を塞いだ。
でも、カーテン越しの彼は声がとても印象的だった。
一度聞いたらまた聞きたくなるような。
落ち着いた口調で大人っぽくセクシーな自分好みの声だった。
「えっ、上履きを盗まれるって?」
「そー。だから書かない。名前を書いたら何度も盗まれたから。マークにしたのは盗難防止の為」
「何度も盗まれるなんて。…ひょっとして、誰かから嫌われてるんですか?」
「ちげーよ。俺は人が信用出来ないだけ」
「嫌がらせをするひどい人達がいるんですね。…ところで、同学年みたいだけど何組なんですか?」
彼への質問内容が核心に迫りそうだった、その時。
ガラッ… ピシャッ
扉の開閉音が耳に入ったと同時に、直前まで会話のキャッチボールしていた彼との会話は途切れた。
あともう少しで謎が解明していきそうだったのに、先生が戻って来たタイミングが悪くて残念。
紗南はすっかり調子が狂い、彼と同じく口を塞いだ。
でも、カーテン越しの彼は声がとても印象的だった。
一度聞いたらまた聞きたくなるような。
落ち着いた口調で大人っぽくセクシーな自分好みの声だった。