「それはいくらなんでも悲観しすぎでしょー」
そう言うと親友の真帆は目の前にあるパフェをスプーンで掬い、口へと運んだ。
「そ、そうかな?」
今日は3月12日。
巧くんとのデートに向けて、真帆と近くのショッピングモールへ買い物に来ている。
いざデートすると決まった時、何を着ていけばいいのかわからなくて、服や靴、それから小物まで一緒に選んでもらった。
他にも私は大学で必要なもの、真帆は専門学校で必要なものをそれぞれ見て、今はカフェで休憩をしている最中。
「これからはいいことしかないよ。だって、散々遠回りしてやっと実った恋なんだから」
「真帆……」
「とーにーかーくっ!せっかく先輩と付き合うことになったんだから、もっと楽しそうな顔しなさいよ」
「そうだよね」
「それに新生活が始まったら忙しくなって今までみたいには会えなくなるでしょ?それなら、今のうちに恋人らしいことしとかないと」
「……確かに」
真帆の言うとおりだ。
4月から巧くんも大学へと進学する。