そんな私の顔を、巧くんはわざと首を傾げて覗き込む。


「見ないでください」って怒りたかったけど、巧くんがあまりにも嬉しそうな顔をするから私はその言葉を飲み込んだ。



「おーい。まだ?飯冷めるぞ」

「今行く。つーか(さとる)もちょっとは手伝えよな」

「いや〜どうしても倒したい敵がいて。わりぃな」

お兄ちゃんと話をしながらリビングへと戻る巧くんを背に、私は小さく息を吐いた。

付き合い始めてからの距離感には未だ慣れない。





巧くんとの交際がスタートしてもうすぐ2週間。

幸せすぎて、時々不安になる。


こんな幸せがずっと続くわけが無いって───。