「た、巧くん窮屈じゃないですか?」

「はい、また敬語ー」


緊張からか、どんどんドツボにハマっていく奈子。


俺は時間制限なんてルールを無視して、後ろから奈子の頬にキスをした。

「こ、これってペナルティじゃなくてご褒美です……だよね?」

不意に奈子がそのような言葉を口にする。

これ、素で言ってるから恐ろしいな。

「あ、そうだ巧くん。一つ提案があるんだけど……」

「ん、何?」

「クマ嬢、巧くんの家に置いていってもいいかな?」

「いいけど、なんで?」

あんなに可愛いって喜んでたのに。

「だって、これからは今までみたいに会えないでしょ?だから、私はクマ坊を巧くんだと思って大切にするから、巧くんはクマ嬢をそばに置いてて欲しいの」

その言葉を聞いて、後からギュッと奈子を抱きしめる。


なんだ、その可愛い提案。

テーブルの上にいたクマ嬢に目をやると、なんだかさっきよりも可愛く見える。



「じゃあ、クマ嬢のこといっぱい可愛がるよ」

「ク、クマ嬢だけ?」

「……奈子のことも、いっぱい可愛がるつもりだけど?」

その言葉に奈子が振り向き、俺達は唇を重ねる。

クマ坊、クマ嬢。

どうか、今から俺達がすることには目を閉じていてほしい。

奈子が帰るまでの2時間。


俺と奈子がどれだけ唇を重ねたのかは秘密───。



(判定とキスは甘く)
fin.