「これどうしたの?」
「近くの雑貨屋で見つけた。奈子が欲しかったシリーズだろ?」
「覚えててくれたの?ありがとう」
「そういやクマ嬢の鞄見た?」
クマ坊、クマ嬢は共に靴や鞄まで用意されている。
奈子はクマ嬢が持っていたスクールバッグをそっと開けると、
「あれ?何か入ってる……」と指で中を探った。
「なんだろうこれ?」
その言葉と同時に鞄から取り出されたのは、ピカピカと光る真新しい鍵。
それは最近、俺が使用しているものと同じもの。
つまり……。
「こ、これってクマ嬢の家の鍵!?」
奈子のトンチンカンな答えに思わず吹き出しそうになった。
鈍感すぎるだろ。
確かに、制服も鞄もリアルな作りだ。
だけど、鍵は本物だろどう見ても。
けど、そういうピュアで真っ直ぐな部分も奈子の可愛いところだ。