だけど、何もない日にプレゼントを渡すとまた奈子が気を遣うんじゃないかと思って、何かプレゼントを渡せるいい理由を探しているところだった。
そこで、思いついたのが敬語禁止ゲーム。
まぁ、どっちにしろ用意してたってことは今からバレるんだけど。
目を瞑ったままの奈子の前にご褒美を置き「もういいよ」と声をかける。
すると、ゆっくりと瞼を開ける奈子。
「巧くん、これ……?」
「開けてみて」
俺がそう言うと、奈子の手により丁寧にりぼんが解かれ、袋の中身が顕になった。
テーブルの上にちょこんと座るクマ2体。
「こ、これ……クマ坊の入学シリーズ!?え、どうして??」
そいつ、クマ坊っていうのか。
まずはクマ坊を手に取り、驚いたような表情を見せる奈子。
女の子のクマはクマ嬢というらしく(語呂悪くね?)、隣から「クマ坊とクマ嬢の制服姿すっごく可愛い〜!」と嬉しそうな声が聞こえてくる。