「じゃあ、おやすみなさい」

「「おやすみ」」


ひとり自分の部屋に戻り、ベッドの中に入る。

でも、目はすっかり冴えていて瞼を下ろしても眠れそうにない。

春休みに入ってから、毎日夜ふかししていたせいだろう。


「ま、スマホでも見てたらそのうち眠たくなるか」

寝転がっていた私は頭上近くに置いていたスマホに手を伸ばし、SNSを開く。


友達の投稿やネットニュースを見ていると、コンコンと誰かがドアをノックする音が鳴り響いた。

横になっていた身体を起こして「はーい」と返事をする。


すると、ドアはゆっくりと開き巧くんが姿を現した。


「どうしたんですか?」


「ラーメンってある?悟と腹減ったなって話になったんだけど、いつもの場所に置いてないらしくて」


ラーメンはいつもキッチン右手の棚。
下から3段目に常備されている。

そこに置いてないってことはストック切れかな。


「置いてないってことは無いんだと思います。何か軽く作りましょうか?」

「いや、でも奈子寝る直前だったろ?」

「思ってたよりも目が冴えてたみたいで、まだ眠れそうにないんです」