あれからずっとくだらない話をして、ようやく学校へ着いた。

「え、寒っ、学校」

「それなぁ、外の方が暖かいよぉ」

私たちの学校は古くて、暖房器具は備え付けられてるけど、ほとんど壊れてる

だから、校舎内でスカートの下にジャージを履く生徒は少なくないのだ

もちろん、私たちも家から学校までスカートの中にジャージを履いている

周囲の人からは変な目で見られるけどね。

「暖房直せやこのハゲ校長!!!」

わおわおわお、夏奈そんなに叫んだら校長に聞かれちゃうよ...!

「夏奈、しーーーーっ!」

この子毒舌だから誰がいようとお構いなしに大声でなんでも言っちゃうんだ。

夏奈の口を慌てて塞いだ途端後ろから

「悪かったねぇ、ハゲ頭で」

という声が...。

ギクリッ...この嗄れた声、もしかして...

「「校長先生?!?!?!」」

「そうだが。そこの君、私にハゲ頭と言ったね」

校長先生は夏奈を指さしてそう言った

「いやいやいやぁ、校長先生にそんなこというわけないじゃないですかぁ!ね!水奈!」

「あ...あははは...」

夏奈...もう無理だよそんなに頑張って否定してももう無理だよ...私たち詰んだ.....っ

「2人とも、後で校長室来なさい」

「えぇ?!わたしも?!」

「そうだ」

え、私も...?まじかぁぁぁぁ!

「校長先生!」

私たちが校長室まで連行されそうになってるところに誰かが来た。

「いやいや、校長先生は禿げてませんよね?!校長先生の話じゃないと思いますけど...。」

ん?だれ?
あ!クラスメイトの櫻小路だ...

「まぁ、確かにわしは禿げておらん」

「なら校長先生のことでは無いですよ」

いや、ナイスなのか。ナイスと言っていいのか...。

「わしの勘違いだったか、すまんのぉ」

え、チョロ。校長先生チョロい。

「い、いえいえ!誤解が解けて良かったです...あはは...」

「遅刻しちゃうから早めに教室に行くんだよ。すまんね引き止めちゃって。授業頑張りなさい」

「ありがとうございまーっす!」

夏奈ちゃんがそう言って私たちは教室に向かった。

「櫻小路助かったわーありがとう!」

「大丈夫だよ。あの校長先生めんどくさいことで有名だからね笑」

ほんと君は優しすぎだよ...!ありがとう!

「これで振り向いてくれるといいね櫻小路!」

「ちょっ、夏奈さん急に何言い出すんだよ!やめろ!」

「いやぁ、だって中々にこじらせてるものでねぇ、頑張ってもらわないと!」

「え、どゆことどゆこと?」

なかなか二人の会話についていけない私がやっと口を挟むと、

「「水奈は知らなくていいこと!」」

と、言われてしまった。

その後も、私には分からない話を櫻小路と夏奈で言い争ってて、そうしてる間にも教室についてまった。