「なんとか今のところは酷くなってないよっ」
『その痛い喉も飴舐めて休ませなさいよね』
みっちょんにもやっぱり心配かけてしまったご様子で、電話越しにため息が聞こえてきた。
みっちょんの優しさに涙がちょちょぎれる。
それからみっちょんはほんとにアシスタントに行ってくれたらしく、琥珀が使い物にならなかった3日間を埋めてくれた。
3日間潰れたけれど、琥珀にしては早い復活だった。
普通の風邪なら1、2週間潰れることもザラなんだから。
今回は軽く済んで、咳も出なかった。
琥珀ちゃん、完全復活です!!
と、意気込んで迎えた土曜日。
黒曜は修羅場に追われていました。
そこはまさしく戦場、戦場だったのです。
「P15,16の背景とそれから影にトーン貼っていって。詳しくは未夜に任せてるから」
「は、はいっ」
「ペン入れまでいける?」
「建物くらいなら大丈夫かと」
「じゃあ下描きで一回見せてからペン入れまでお願い」
「はいっ」
雨林さんの指示の元、私は回復早々に激戦区へと突っ込んで行くことになった。
ちなみにみっちょんもしっかりアシスタントしているのでマジでヤバいらしい。
しかも〆切が明日だという、マジでヤバそう。